桃の花に野駒鳥 19-100228
白い雪粒が二羽の体の上に点々と降り積もる描写は、景年の細密さの真骨頂です。オスの栗色・緑・灰・ピンクという複雑な冬羽の色彩が、雪の白によってより鮮明に際立っています。
■アーティスト
今尾景年(いまお けいねん、1845年〈弘化2年〉8月12日 - 1924年〈大正13年〉10月5日)
幕末から大正時代にかけて活躍した日本画家で、京都画壇の重鎮として知られます。幼少期より絵に親しみ、四条派の柴田義董や円山派の塩川文麟に師事し、伝統的な日本画の技法を学びました。写実的かつ繊細な筆致で知られ、花鳥画、山水画、美人画など多彩なジャンルを手がけました。景年は、明治以降の日本画再興運動において中心的な役割を果たし、京都府画学校(現・京都市立芸術大学)の設立にも関与。後進の育成に尽力し、竹内栖鳳ら近代日本画の巨匠たちを輩出しました。その画風は伝統を踏まえつつも、時代の美意識に応じて洗練され、装飾性や詩情に富んでいます。帝室技芸員にも任命されるなど公的にも高く評価され、国内外の博覧会で受賞歴も多く、日本画の近代化に大きな貢献を果たしました。今尾景年は、明治から大正にかけての美術界において、日本画の正統と革新を架け橋のように繋いだ重要な存在です。
■作品概要
景年花鳥画譜 春之部 桃の花・ノゴドリ
春が枝の先まで満ち、まだ蕾が多い桃の枝に、野駒鳥がひっそりと止まっています。黒い頭、赤い喉、灰色の翼。その小さな体が、淡いピンクの花びらと白い開花の間で、凛とした存在感を放っています。博物学者の指導を受け、毎月写生の日を設けて生き物と向き合い続けた景年が、その生涯の観察を「春夏秋冬」という四季の形に結晶させた、明治日本画壇の至宝です。桃の枝の構成は大胆で詩的。細い枝が縦横に走り、その先に蕾と開花が散りばめられ、奥行きと軽やかさを同時に生み出しています。野駒鳥は振り返るように顔をこちらに向け、その黄色い目が静かにこちらを見ています。春の訪れを告げる桃の花と、その花を宿り木にした小さな命。景年が愛した、日本の春の一瞬が、ここに永遠に留められています。
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今尾景年の『景年花鳥画譜 春之部』に収められた「桃の花に野駒鳥」は、明治・大正期の京都画壇四条派を代表する花鳥画の傑作で、蕾から開花へと春の時間を一枚に重ねた桃の枝に赤い喉を持つ野駒鳥が凛と止まる構図が、景年の細密描写と詩的な構成力で表現されています。淡いピンクと白が支配する春の色彩の中に鮮やかな赤が灯す命の熱と、大胆に走る枝の線が生む軽やかな奥行きが融合したこの一枚は、日本の春の美と生命への深い愛情が凝縮された近代日本画の名品として高く評価されています。
■サイズ
・A4/ 210mm×297mm
・A3/ 297mm×420mm
・A2/ 420mm×594mm
■材質
本商品は用紙のご選択が可能です
⇒ フォトマット紙0.25mm厚
官製はがき(0.2mm)よりもやや厚いコシのある紙質。
画用紙に近い印象となり、光沢がないので版画のような仕上がりになります。
日本画によく合います。
⇒ 半光沢紙026mm厚
光沢を抑えた仕上がりで反射が少なく、どの角度からでもきれいに鑑賞できます。
■キーワード
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